mineoが業界トップという結果に!NTTコムオンライン、モバイル通信サービスに関するベンチマーク調査を実施
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社は2017年8月29日、モバイル通信サービス業界を対象とした顧客ロイヤルティを計測する業界ベンチマーク調査を実施、および結果を2017年度版として公表しました。
この結果、最も高い数値を叩き出したのは、MVNO業者最大手の一つであるmineo。
今回用いられた指標はNPSと呼ばれるもので、「友人・家族などにそのサービスを勧めたいか?」という質問に対する賛同者と反対者のパーセンテージを割り出し、その差を数値化したものです。
……ということで、どうもやぎこです。
今日はNTTコムオンラインが発表した、アンケート調査を元に業界をベンチマーク評価してみた的なお話を掘り下げてみたいなと思います。
自分が使ってるOCNモバイルONEがトップじゃなくてなんだかショボーンな気持ちではあるんですが(笑)、こういったものを見ていくといろいろ分かることもありますし、半ば楽しみつつ見ていこうかな、と。
とりあえずNPS分布
小見出しから滲み出る「とりあえず生」感。
ではまず、今回調査が行われた全9社のNPS分布を見ていこうかなと思います……が、その前にNPSとはなんぞやというのをもうちょい詳しく見ていこうかと。
文章ではなかなか説明しにくいので、今回の調査データファイルから引用した画像を貼り付けさせて頂きます。
これを見れば分かると思うんですが、多くの人が中間程度と考えるであろう「5」や「6」も批判者として捉えられてしまうというのが今回のミソ。
つまり、「あんまり満足はしてないんだけど、まあ不自由もしてないしいいんじゃないの」みたいな意見をこれによって見事にふるい落としているわけですね。
それが証拠に、
今回の調査にて選択された推奨度の選ばれ具合を見てみると、なんと「5」が最多の29.1%を叩き出していることが見て取れます。
日本人ってめっちゃ貶したりもめっちゃ褒めたりもしないって言いますが、まあ見事に出てますねこれ……。
てことで早速、こちらのNPS分布グラフをどうぞ。
ここにはMVNO、大手キャリア問わず両方のデータが混在しています。
なんだか二位・三位のデータだけ母数が極端に少ないのが気になりますが、まあその辺はきっとユーザー数が少ないサービスだったからということなんでしょう。作為的にデータ選んでないかとか言っちゃいけない。
……とまあ、妄言はここまでにして(笑)。
このデータで注目すべき点は、首位mineoと二位につけたA社ではNPS値としては約7%ほどの違いが出てきているのにも関わらず、推奨者のパーセンテージではむしろA社のほうが高水準を出しているということ。
ここから読み取れることとしては、mineoは特定のユーザーに特化したようなサービスを行っているというよりも、幅広いユーザーへ高いレベルのサービスを提供できていることが挙げられます。
だってほら、満足度「7」「8」な中立者のパーセンテージが明らかに高いじゃないですか。
顧客が求めているものとは
……なんか意識高い系の経営書みたいなタイトルになってますねこれ。なんかP.F.ドラッカーの「マネジメント」にこんなのあった気が……。まあいいや。
さて次に見ていくのは、「果たして何が要因になって支持されているのかorそうでないのか」というお話。
これを見るとですね、いかに某大手キャリアが見当違いなことをやってるかがですね…………いや、なんでもないです。
てことでこちらのグラフをご覧ください。
これを見ると、ユーザーが求めているものは「サービスの信頼性・安定性」「つながりやすさ・エリアの広さ」「データ通信の速度」「料金体系の分かりやすさ、お得さ」etc……であって、間違っても「音楽とか映像のコンテンツの充実」だったり「固定回線との抱き合わせ商法」だったり「オプションサービスの充実」は求められているものではない、ということが分かります。
そしてこれを見る限り、こういった求められているものがまだまだ満足に達成されていないという状況が垣間見えるとも言えるでしょう。逆に言えば、そういったニーズに応えて行ってるのがMVNOっていうサービスだったりもするんですけどね。
それを裏打ちするかのように、こんなデータもあったりします。
ズバリ、大手キャリアとMVNOの満足度比較グラフ。
差がね、もう歴然としすぎてですね、すっごいアレですよね、はい……。
でもって、ちょっと驚きなのが次のグラフ。
さっき見た重要度・満足度のデータをキャリアとMVNOに分けてみたって感じのグラフです。
このグラフで刮目すべきは、なんと「企業の信頼性・ブランドイメージ」だったり「サービスの信頼性」において大手キャリアをMVNOが破っているという点。
これはもう、各通信業者さんが懸命に戦略を練り、自助努力なさった結果だなぁと。
うーん、なんかしみじみせざるを得ません……。
口コミってすごい
てことで最後の項目と相成りますは、ズバリ「なんで今の業者選んだの」っていうお話と、これからどうしたいかっていうお話についてです。
まずはこちら、「利用の決め手となった情報源」のグラフを。
これを見る感じ、大手キャリアはとにかく「家族や友人・知人の口コミ」ないし「わからない」でポイントを稼ぎまくってるのが見て取れます。
「わからない」に関しては、家族が前から使ってて~とかずっと前に契約して~とかなんだろうなぁとなんとなく分かるんですが、MVNO信奉者の筆者としては「大手いいよね」みたいな会話が分からない……。
なんでしょうね、某D社から某S社とか、そんな感じの変遷をしてる方々なんでしょうか。全然わからん。
まあそれはさておき、パッと見て「大手キャリアの口コミすげえなぁ」という印象のこのグラフですが、実はMVNOもその辺負けてはいなかったりして。
実は、口コミ情報の入手源として筆頭に上がるであろう、「比較サイト」「ニュース記事・ビジネス記事」「まとめサイト」etcの欄ではMVNOが圧倒的に勝っているんですね。
つまりこれ、MVNOユーザーはネットにおいて多大な宣伝だったり情報だったりを発信しまくってる、ということが言えるわけです(もちろんこんな記事書いてる自分も含めてですが)。
で、このことがよく分かるのが次のグラフ。
推奨者の人が、批判者に比べて約5倍もポジティブな口コミをしています。
「そりゃ批判者はポジティブな口コミなんてしねえだろ!」という突っ込みが入ってきそうですが、このデータで重要なのはそこではなくてですね。
上で見て頂いたように、MVNOユーザーは大手キャリアユーザーに比較して満足度が高いという傾向にあります。
そして今のグラフでは、満足度が高い人ほどよりポジティブな情報を流しているということが裏付けされています。
つまりこれらのことから、「MVNOを使っている人は自身の通信業者に関してより多くのポジティブな情報を発信しており、更にそれを参考にして新規ユーザーがまた新たにMVNOを使い始める」という、ある意味理想的なスパイラルが発生していると言えるわけです。
でもってこれこそが、今格安SIMやMVNOが成長産業とされている大きな所以とも考えられます。
やっぱマーケティングにおいて口コミってめちゃくちゃ重要なんですね。
うーん、勉強になる……。
おわりに
てことで気が付けば超ボリューミーな記事となってしまいましたが、一旦ここで今回の分析は終わりにしたいと思います。
MVNOや大手キャリアのいいところ悪いところが俯瞰して見られるため、やっぱりこういう調査って大事だなぁ……、と。
今回掲載できていないデータやグラフもたくさんあるので、よろしければ↓のURLからデータを落として、ざっとでも目を通してみるのもいいと思います。一応は結構正確にいろいろ書き綴ったつもりですが、たぶん抜けとかもありますしね。
というかたぶん画像がかなり見にくいので、是非原本でちゃんと見ていただけると……。ホントすみません……
てことでいい機会ですし、自分の通信環境を見直してみるのももしかしたら面白いかもしれません。
きっと、何かしら発見があると思いますよ。
(注:本記事中に掲載した画像・データ等は、全てhttp://www.nttcoms.com/service/nps/report/mobile-service/より引用しています)
[最終更新日]2017/08/30
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